CentOSにMySQLをインストールする際、MySQLのバージョンを考慮しないと、意図せずサポート期限切れのバージョンがインストールされてしまいます。
MySQLは最新のバージョンを導入することをおすすめします。
今回は、VPSにWordPressを導入するための準備として、CentOS6にMySQL5.7をインストールする方法を説明します。
※以下の環境を例に説明します。
- サーバOS:CentOS6
- MySQL:MySQL5.7
1.MySQLとは
MySQLとは、様々なデータを一元的に管理するための関係データベース管理システムの1つで、オープンソース系としては世界で最もよく使われているデータベースです。
WordPressを導入するためには、事前にMySQLをインストールしておく必要があります。
2.MySQLのバージョンの注意点
CentOS6には、標準リポジトリにMySQL5.1が保管されています。
よって、そのままyumでインストールすると、2013年12月でサポート期限切れとなっているMySQL5.1がインストールされてしまいます。
今回は、2017年3月現在の最新バージョンであるMySQL5.7をインストールしたいので、CentOS6にMySQL5.7のリポジトリを新たに追加してインストールを行います。
このように、標準リポジトリにはないソフトウェアをインストールする場合は、対象となるyumリポジトリを新たに追加する必要があります。
3.yumリポジトリの追加
それでは、CentOS6にMySQL5.7のyumリポジトリを新たに追加していきましょう。
① まず、サーバにrootユーザでログインします。
[root@ ~]#
② yumリポジトリが格納されているディレクトリへ移動します。
「cd /etc/yum.repos.d」と入力してEnterを押します。
[root@ ~]# cd /etc/yum.repos.d
③ 「/etc/yum.repos.d」に移動したら、同ディレクトリ配下の既存のリポジトリを確認します。
「ll」と入力してEnterを押します。
[root@ yum.repos.d]# ll
「/etc/yum.repos.d」配下のファイルやディレクトリの一覧が表示されます。
-rw-r--r-- 1 root root 1991 5月 19 04:47 2016 CentOS-Base.repo -rw-r--r-- 1 root root 647 5月 19 04:47 2016 CentOS-Debuginfo.repo -rw-r--r-- 1 root root 630 5月 19 04:47 2016 CentOS-Media.repo -rw-r--r-- 1 root root 6259 5月 19 04:47 2016 CentOS-Vault.repo -rw-r--r-- 1 root root 289 5月 19 04:47 2016 CentOS-fasttrack.repo -rw-r--r--.1 root root 1056 11月 5 12:52 2012 epel-testing.repo -rw-r--r-- 1 root root 957 12月 24 11:01 2016 epel.repo -rw-r--r-- 1 root root 1177 6月 30 21:25 2016 remi-php70.repo -rw-r--r-- 1 root root 1177 12月 24 11:14 2016 remi-php71.repo -rw-r--r-- 1 root root 449 6月 30 21:25 2016 remi-safe.repo -rw-r--r-- 1 root root 2340 12月 24 11:08 2016 remi.repo
④ MySQL5.7のyumリポジトリを追加します。
「rpm -Uvh http://dev.mysql.com/get/mysql57-community-release-el6-9.noarch.rpm」と入力してEnterを押して下さい。
- 「rpm -U パッケージファイル名」は、パッケージファイル名で指定したパッケージを更新または新規インストールするコマンドです。ここでは、パッケージファイル名として、yumリポジトリのダウンロードURLを指定します。
- 「-v」は、インストールの詳細状況を表示するオプションです。
- 「-h」は、インストール状況を「#」で表示するオプションです。
[root@ yum.repos.d]# rpm -Uvh http://dev.mysql.com/get/mysql57-community-release-el6-9.noarch.rpm
① MySQL公式サイトにアクセスします。
② ページ下部に、OS毎のyumリポジトリの一覧があるので、今回は「Red Hat Enterprise Linux 6 / Oracle Linux 6 (Architecture Independent), RPM Package」のDownloadボタンをクリックします。
③ ページ下部にある「No thanks, just start my download.」のリンク上で、右クリックして「リンクのアドレスをコピー(E)」を選択します。
これで、yumリポジトリのダウンロードURLをコピーできました。
⑤ 再度「/etc/yum.repos.d」配下のファイルやディレクトリを確認します。
「ll」と入力してEnterを押します。
[root@ yum.repos.d]# ll
以下のリポジトリが追加されたことを確認します。
mysql-community-source.repo mysql-community.repo
4.MySQLのインストール
yumリポジトリの準備が完了したら、CentOS6にMySQL5.7をインストールします。
「yum -y install mysql-community-server」と入力してEnterを押します。
- 「yum install パッケージ名」は、指定したパッケージをyumでインストールするコマンドです。
- 「-y」は、インストール時のシステム側からの問い合わせに対して、すべて「はい」と答えるコマンドです。
[root@ yum.repos.d]# yum -y install mysql-community-server
5.MySQLのバージョンを確認
MySQLのインストールが完了したら、MySQLのバージョンを確認します。
① 「mysql –version」と入力してEnterを押します。
[root@ yum.repos.d]# mysql --version
MySQL5.7がインストールされていることを確認します。
mysql Ver 14.14 Distrib 5.7.17, for Linux (x86_64) using EditLine wrapper
② 次に、「rpm -qa | grep mysql」と入力してEnterを押します。
[root@ yum.repos.d]# rpm -qa | grep mysql
以下の赤字のパッケージが指定したバージョンでインストールされていることを確認します。
mysql57-community-release-el6-9.noarch mysql-community-client-5.7.17-1.el6.x86_64 mysql-community-libs-5.7.17-1.el6.x86_64 mysql-community-server-5.7.17-1.el6.x86_64 mysql-community-libs-compat-5.7.17-1.el6.x86_64 mysql-community-common-5.7.17-1.el6.x86_64 php-mysqlnd-7.1.0-1.el6.remi.x86_64
これで、MySQLが正常にインストールされたことを確認できました。