CentOSにPHP7をインストールする方法~PHPのバージョンにご注意!

シェアする

CentOSにPHPをインストールする際、PHPのバージョンを考慮しないと、意図せずサポート期限切れのバージョンがインストールされてしまいます。

また、WordPressのテーマによっては、PHPのバージョンに制限があるものもあります。

特に理由がないのであれば、PHPは最新のバージョンを導入することをおすすめします。

今回は、VPSにWordPressを導入するための準備として、CentOS6にPHP7をインストールする方法を説明します。

※以下の環境を例に説明します。

  • サーバOS:CentOS6
  • PHP:PHP7

スポンサーリンク
レクタングル大

1.PHPとは

PHPとは、動的なWEBページを作成するためのプログラミング言語の1つです。

PHPで構築したWEBサイトは、ブラウザからの要求に応じて、WEBサーバ側で処理を実行し、処理結果をHTMLとしてブラウザに返します。

WordPressを導入するためには、事前にPHPをインストールしておく必要があります。

2.yumとは

CentOSへのPHPのインストールはyumを使って行います。

yumとは、CentOSでパッケージ管理システムとして使われるツールのことです。

パッケージとは、例えばPHPやMySQLなどのソフトウェアを構成する一連のファイル群のことで、リポジトリと呼ばれるパッケージの保管場所に保管されています。

yumにより、パッケージをリポジトリからダウンロードし、OSへのインストール、アンインストール、更新などを行います。

3.PHPのバージョンの注意点

CentOS6には、標準リポジトリにPHP5.3が保管されています。

よって、そのままyumでインストールすると、2014年8月でサポート期限切れとなっているPHP5.3がインストールされてしまいます。

今回は、2017年3月現在の最新バージョンであるPHP7.1をインストールしたいので、CentOS6にPHP7.1のリポジトリを新たに追加してインストールを行います。

このように、標準リポジトリにはないソフトウェアをインストールする場合は、対象となるyumリポジトリを新たに追加する必要があります。

なお、PHPのサポートバージョンについては、以下の公式サイトで確認して下さい。

PHPのサポートバージョン

4.yumリポジトリの追加

それでは、CentOS6にPHP7.1のyumリポジトリを新たに追加していきましょう。

yumリポジトリは、EPELとRemiの2つのリポジトリを追加します。

① まず、サーバにrootユーザでログインします。

[root@ ~]#

② yumリポジトリが格納されているディレクトリへ移動します。

「cd /etc/yum.repos.d」と入力してEnterを押します。

[root@ ~]# cd /etc/yum.repos.d

③ 「/etc/yum.repos.d」に移動したら、同ディレクトリ配下の既存のリポジトリを確認します。

「ll」と入力してEnterを押します。

[root@ yum.repos.d]# ll

「/etc/yum.repos.d」配下のファイルやディレクトリの一覧が表示されます。

-rw-r--r-- 1 root root 1991  5月 19 04:47 2016 CentOS-Base.repo
-rw-r--r-- 1 root root  647  5月 19 04:47 2016 CentOS-Debuginfo.repo
-rw-r--r-- 1 root root  630  5月 19 04:47 2016 CentOS-Media.repo
-rw-r--r-- 1 root root 6259  5月 19 04:47 2016 CentOS-Vault.repo
-rw-r--r-- 1 root root  289  5月 19 04:47 2016 CentOS-fasttrack.repo
-rw-r--r--.1 root root 1056 11月  5 12:52 2012 epel-testing.repo
-rw-r--r-- 1 root root  957 12月 24 11:01 2016 epel.repo

④ EPELリポジトリを確認します。

上記③で、「epel.repo」ファイルが存在していることを確認します。

通常は既に存在していると思われます。

存在していない場合は、EPELリポジトリを追加します。

「rpm -Uvh https://dl.fedoraproject.org/pub/epel/epel-release-latest-6.noarch.rpm」と入力してEnterを押して下さい。

  • 「rpm -U パッケージファイル名」は、パッケージファイル名で指定したパッケージを更新または新規インストールするコマンドです。
  • 「-v」は、インストールの詳細状況を表示するオプションです。
  • 「-h」は、インストール状況を「#」で表示するオプションです。
[root@ yum.repos.d]# rpm -Uvh https://dl.fedoraproject.org/pub/epel/epel-release-latest-6.noarch.rpm

⑤ Remiリポジトリを確認します。

上記③で、「remi〇〇〇.repo」ファイルが存在していないことを確認します。

通常は存在していないと思われます。

存在していない場合は、Remiリポジトリを追加します。

「rpm -Uvh http://rpms.famillecollet.com/enterprise/remi-release-6.rpm」と入力してEnterを押して下さい。

[root@ yum.repos.d]# rpm -Uvh http://rpms.famillecollet.com/enterprise/remi-release-6.rpm

⑥ 再度「/etc/yum.repos.d」配下のファイルやディレクトリを確認します。

「ll」と入力してEnterを押します。

[root@ yum.repos.d]# ll

「remi〇〇〇.repo」ファイルが追加されたことを確認します。

-rw-r--r-- 1 root root 1991  5月 19 04:47 2016 CentOS-Base.repo
-rw-r--r-- 1 root root  647  5月 19 04:47 2016 CentOS-Debuginfo.repo
-rw-r--r-- 1 root root  630  5月 19 04:47 2016 CentOS-Media.repo
-rw-r--r-- 1 root root 6259  5月 19 04:47 2016 CentOS-Vault.repo
-rw-r--r-- 1 root root  289  5月 19 04:47 2016 CentOS-fasttrack.repo
-rw-r--r--.1 root root 1056 11月  5 12:52 2012 epel-testing.repo
-rw-r--r-- 1 root root  957 12月 24 11:01 2016 epel.repo
-rw-r--r-- 1 root root 1177  6月 30 21:25 2016 remi-php70.repo
-rw-r--r-- 1 root root 1177 12月 24 11:14 2016 remi-php71.repo
-rw-r--r-- 1 root root  449  6月 30 21:25 2016 remi-safe.repo
-rw-r--r-- 1 root root 2340 12月 24 11:08 2016 remi.repo

5.PHPのインストール

EPELとRemiの2つのリポジトリの準備が完了したら、CentOS6にPHP7.1をインストールします。

「yum -y install –enablerepo=remi,remi-php71 php php-devel php-mbstring php-mysql php-pdo php-gd」と入力してEnterを押します。

  • 「yum install パッケージ名」は、指定したパッケージをyumでインストールするコマンドです。
  • 「-y」は、インストール時のシステム側からの問い合わせに対して、すべて「はい」と答えるコマンドです。
  • 「–enablerepo」は、指定したリポジトリを有効化するコマンドです。ここでは、remiとremi-php71の2つのリポジトリを有効化しています。
  • インストールするパッケージ名としては、php(PHP本体)、php-devel(PHP開発パッケージ)、php-mbstring(PHPで日本語を使えるようにするためのマルチバイト文字パッケージ)、php-mysql(PHPでMySQLに接続できるようにするためのMySQL接続パッケージ)、php-pdo(データベース接続パッケージ)、php-gd(画像変換パッケージ)を指定しておけば十分でしょう。
[root@ yum.repos.d]# yum -y install --enablerepo=remi,remi-php71 php php-devel php-mbstring php-mysql php-pdo php-gd

6.PHPのバージョンを確認

PHPのインストールが完了したら、PHPのバージョンを確認します。

① 「php –version」と入力してEnterを押します。

[root@ yum.repos.d]# php --version

PHP7.1がインストールされていることを確認します。

PHP 7.1.0 (cli) (built: Dec 1 2016 08:23:35) ( NTS )
Copyright (c) 1997-2016 The PHP Group
Zend Engine v3.1.0-dev, Copyright (c) 1998-2016 Zend Technologies

② 次に、「rpm -qa | grep php」と入力してEnterを押します。

[root@ yum.repos.d]# rpm -qa | grep php

インストール時に指定したパッケージが、すべて指定したバージョンでインストールされていることを確認します。

php-common-7.1.0-1.el6.remi.x86_64
php-pdo-7.1.0-1.el6.remi.x86_64
php-json-7.1.0-1.el6.remi.x86_64
php-gd-7.1.0-1.el6.remi.x86_64
php-7.1.0-1.el6.remi.x86_64
php-mbstring-7.1.0-1.el6.remi.x86_64
php-cli-7.1.0-1.el6.remi.x86_64
php-devel-7.1.0-1.el6.remi.x86_64
php-mysqlnd-7.1.0-1.el6.remi.x86_64

これで、PHPが正常にインストールされたことを確認できました。

スポンサーリンク
レクタングル大
レクタングル大

シェアする

フォローする