本記事では、VPSでサーバを構築する手順について説明します。
また、1台のVPSで複数のWordPressを立ち上げる手順についても説明します。
VPSとは、「Virtual Private Server」の略で、日本語では「仮想専用サーバ」と呼びます。
サーバの形態としては、自宅サーバ、共用サーバ、VPS、専用サーバ、クラウドがあります。自宅サーバは自分でサーバを購入して自宅に設置する形態です。また、共用サーバ、VPS、専用サーバ、クラウドは、サーバ会社からレンタルする形態となります。
サーバの利用料金に対する性能や安定性、自由度を考慮すると、個人レベルの利用ではVPSが最もコスパが高いと考えます。VPSはすべて自分で作業する必要があるため、サーバ構築の知識や経験がないと敷居が高いと感じますが、本記事を参考に作業を進めていけば大丈夫です。
作業は、サーバの契約と設定、独自ドメインの契約と設定、WEBサーバのインストールと設定、PHPのインストールと設定、MySQLのインストールと設定、WordPressのインストールと設定、WordPressプラグインのインストールと設定、アクセス解析ツールの導入の順で進めていきます。
目次
1.サーバの契約と設定
まずは、VPSを契約します。
月々1,000円程度で十分なスペックのサーバが「自分のサーバ」として利用できるようになります。
VPSの契約が完了したら、自分のサーバに各種設定を行います。
設定としては、日本語対応、一般ユーザの作成、一般ユーザの権限変更、rootユーザのログイン禁止、rootユーザのパスワード変更、SSH接続のポート番号の変更、鍵認証の設定、パスワードログインの禁止、ファイアウォールの設定を行います。
また、必要に応じて、GCCのバージョンアップ、Postfixのインストールを行います。
2.独自ドメインの契約と設定
次に、独自ドメインを契約します。
独自ドメインとは、ネット上の自分だけの住所にあたるもので、自分のサーバでネット上にブログを公開する際のURLとして使用します。
「.com」や「.net」あたりが無難でよいと考えます。
年間1,000円程度でお好みの名前のドメインが「自分のドメイン」として利用できるようになります。
独自ドメインの契約が完了したら、自分のドメインの設定を行います。
ドメイン会社側への設定と、サーバ会社側への設定を行います。
これらの設定を行うことにより、ブラウザのURLバーに自分のドメインのURLが入力された際に、自分のサーバへアクセスが行くようになります。
ただし、この段階ではまだ自分のサーバでブログを公開していないので、ブラウザにはエラーが表示されます。
3.WEBサーバのインストールと設定
自分のサーバにWEBサーバをインストールします。
WEBサーバとは、ブラウザからの要求に応じてブラウザに対して処理結果を返す働きをするサーバのことで、自分のサーバにアクセスしてきてくれたブラウザに対して、自分のブログを表示させてくれます。
主なWEBサーバとしては、「Apache(アパッチ)」や「Nginx(エンジンエックス)」があります。
WEBサーバのインストールが完了したら、各種設定を行います。
設定としては、サーバ再起動時にWEBサーバを自動起動する設定、セキュリティの設定、マルチドメイン(VirtualHost)の設定、www有りURLとwww無しURLの統一、index.php有りURLとindex.php無しURLの統一、ログ出力先の設定などを行います。
4.PHPのインストールと設定
自分のサーバにPHPをインストールします。
PHPとは、ブラウザからの要求に応じた処理をサーバ側で実行するプログラミング言語の1つで、WordPressを使ってブログを作成するために必要となります。
PHPのインストールが完了したら、各種設定を行います。
設定としては、日本語対応、日本時間対応、セキュリティ設定、ログ出力先の設定などを行います。
5.MySQLのインストールと設定
自分のサーバにMySQLをインストールします。
MySQLとは、様々なデータを一元的に管理するためのデータベース管理システムの1つで、WordPressを使ってブログを作成するために必要となります。
MySQLのインストールが完了したら、各種設定を行います。
設定としては、サーバ再起動時にMySQLを自動起動する設定、rootユーザのパスワード変更などの設定などを行います。
6.WordPressのインストールと設定
自分のサーバにPHPとMySQLをインストールしたら、WordPressをインストールします。WordPressとは、テキストや画像などのデータを管理し、それらをWEBページとして表示させるためのコンテンツ管理システムの1つで、このWordPressを使ってブログを作成します。
WordPressのインストールが完了したら、ブログがネット上に公開された状態になります。
ブラウザのURLバーに自分のドメインのURLを入力すると、インストールしたばかりのWordPressが表示されるようになります。
次に、テーマをインストールします。
テーマとは、WordPressの外観のテンプレートとなるもので、無料テーマから有料テーマまで様々なテーマがあります。ここでは無料テーマの「Luxeritas」を例に説明します。
テーマのインストールが完了したら、WordPressの基本的な設定を行います。
設定としては、ニックネーム、ブログ上の表示名、メールアドレス、サイトのタイトル、キャッチフレーズ、更新情報サービス、ディスカッション設定、パーマリンク設定、サンプル記事・サンプルコメントの削除などを行います。
7.プラグインのインストールと設定
WordPressのインストールが完了したら、プラグインをインストールします。
プラグインとは、WordPressの機能を拡張するためのツールで、無料プラグインから有料プラグインまで様々なプラグインがあります。
インストールできるプラグインの数に上限はなく、プラグインをインストールした分だけ機能を拡張することができますが、その分処理が重くなり、ブログの表示が遅くなります。
また、インストールしたテーマと機能が重複するプラグインもあります。
なお、プラグインではなく、カスタマイズにより機能を拡張することもできます。
以上のことを考慮し、必要最低限のプラグインだけインストールするようにします。
8.アクセス解析ツールの導入
自分のブログにGoogle Analyticsを導入します。
Google Analyticsとは、Googleが提供する無料のアクセス解析ツールのことで、このツールにより、自分のブログへのアクセスに関して様々なデータをもとに分析することができるようになります。
Google Analyticsの導入が完了したら、Googleが提供する他の無料ツールと連携させます。
Google Search Consoleとの連携、Google AdWordsとの連携、Google AdSenceとの連携を行います。