今回は、サーバの操作方法と、VPSを始めたらまずはじめに行うべきことについて説明します。
サーバのOSとしては、日本ではよく使われているCentOSを例に説明します。
VPSを申し込んだ場合も、このCentOSが提供時から利用できる標準OSとなっている場合が多いです。
1.SSH接続ツールでサーバにログイン
CentOSのサーバには、SSH接続ツールを使用してログインします。
そして、サーバに対する各種の操作は、SSH接続ツールでコマンドを入力して行います。
SSH接続ツールとは、SSHという安全な通信方法を使用してサーバを操作するためのツールです。
Windowsの場合、「RLogin」、「Tera Term」などの無料ツールが該当します。
また、Macの場合、標準搭載されている「ターミナル」が該当します。
今回は、Windowsの「RLogin」を例に説明します。
まずは、「RLogin」のサイトにアクセスします。
お使いのPCに応じて、「実行プログラム(32bit)」または「実行プログラム(64bit)」のどちらかをダウンロードし、インストールして下さい。
インストールが完了したら、以下のショートカットアイコンをクリックします。
「Server Select」画面で、「新規」をクリックします。
「Server New Entry」画面で、以下の項目を入力し、画面下部の「OK」をクリックします。
- エントリー/コメント: 任意の文字列を入力して下さい。
- プロトコル: ssh
- Server Address: サーバ会社から通知されたIPアドレス(※)
- Socket Port: ssh
- User Name: root
- Password: サーバ会社から通知された初期パスワード(※)
- デフォルト文字セット:UTF-8
※ さくらのVPSの場合、「[さくらのVPS] 仮登録完了のお知らせ」メールにより通知されます。
「Server Select」画面で、「OK」をクリックします。
「公開鍵の確認」画面で、「接続する」をクリックします。
rootユーザでサーバにログインできました。
[root@ ~]#
2.rootユーザのパスワード変更
rootユーザのパスワードを、サーバ会社から通知されたパスワードから任意のパスワードに変更します。
それでは、rootユーザのパスワード変更を行います。
rootユーザのパスワードを変更するには、rootユーザでログインしている必要があります。
以下のように、「#」が表示されていれば、rootユーザでログインしている状態であることを表します。
[root@ ~]#
「passwd」と入力してEnterを押します。
これは、ログインユーザのパスワードを変更するコマンドです。
[root@ ~]# passwd
新パスワードの入力を求められるので、任意のパスワードを入力してEnterを押します。
なお、入力したパスワードは表示されません。
Changing password for user root. New password:
再度パスワードの入力を求められるので、先ほど入力したパスワードをもう一度入力してEnterを押します。
先ほどと同様、入力したパスワードは表示されません。
Retype new password:
以下のように表示されれば、パスワードの変更は完了です。
passwd: all authentication tokens updated successfully.
これで、rootユーザのパスワードが変更できました。
3.システムのアップデート
システムをアップデートし、システムを最新の状態にします。
システムをいつも最新の状態にしておくことにより、脆弱性を狙った悪意あるユーザから自分のサーバを守ることができます。
それでは、システムのアップデートを行います。
システムのアップデートを行うには、rootユーザでログインしている必要があります。
[root@ ~]#
「yum update」と入力してEnterを押します。
これは、システムをアップデートするコマンドです。
サーバにインストールされているプログラムに更新情報があれば、その更新情報に従ってそのプログラムを最新の状態にします。
[root@ ~]# yum update
更新情報がない場合は、以下のように表示されます。
No packages marked for Update
更新情報がある場合は、例えば以下のように表示されますので「y」を入力して下さい。
システムのアップデートが実行されます。
Install 2 Package(s) Upgrade 10 Package(s) Total download size: 78 M Is this ok [y/N]
「Complete!」と表示されれば、システムのアップデートは完了です。
Complete!
システムのアップデートは、定期的に行うようにして下さい。
4.日本語化
サーバを日本語化します。
コマンドを入力した際に、サーバ側から表示されるメッセージが日本語になります。
それでは、サーバの日本語化を行います。
rootユーザでログインしている必要があります。
[root@ ~]#
「vim /etc/sysconfig/i18n」と入力してEnterを押します。
これは、「/etc/sysconfig/」にある「i18n」というファイルを開く、というコマンドです。
(vim = ファイルを開くコマンド)
[root@ ~]# vim /etc/sysconfig/i18n
「/etc/sysconfig/i18n」のファイルの内容が表示されます。
デフォルトでは、「LANG」が「C」となっています。
LANG = "C"
この「LANG」を「ja_JP.UTF-8」に変更します。(※)
LANG = "ja_JP.UTF-8"
※ vim で開いたファイルを編集する方法
「→」を入力して、変更対象である「C」にカーソルを移動します。
LANG = "C"
「x」を入力してカーソルが当たっている「C」を削除します。
「x」は、1文字削除するコマンドです。
LANG = ""
「i」を入力します。
これは、編集モードに切り替えるコマンドです。
編集モードに切り替わると、画面左下に「– INSERT –」と表示され、ファイルを編集できるようになります。
-- INSERT --
「ja_JP.UTF-8」と入力します。
LANG = "ja_JP.UTF-8"
Escを押します。
これは、ノーマルモードに切り替えるコマンドです。
画面左下の「– INSERT –」の表示が消え、ファイルを編集できない参照用のモードとなります。
「:wq」と入力してEnterを押します。
これは、ファイルを保存してvimを終了するコマンドです。
:wq
設定した内容を有効化するために、サーバを再起動します。
「reboot」と入力してEnterを押します。
[root@ ~]# reboot
サーバの再起動を行うと、SSH接続は切断されます。
サーバ再起動後、再度、SSH接続ツールでサーバにログインし、サーバの日本語化が有効化されていることを確認します。
例えば、「date」と入力してEnterを押すと日本語で現在日時が表示されます。
[root@ ~]# date 2017年 1月 19日 木曜日 00:42:39 JST
以上により、サーバの日本語化は完了です。
5.SSH接続ツールでサーバからログアウト
最後に、SSH接続ツールでログインしたサーバからログアウトします。
「exit」と入力してEnterを押します。
[root@ ~]# exit
サーバからログアウトし、SSH接続は切断されます。